人体と地球の秘密 ~ 火星の岩石
ローバーに搭載された、APXS(アルファ・プロトン・エックス線分光計)は、岩石にヘリウムの原子核や水素の原子核を浴びせて、岩石を構成する原子を励起し、そこから出てくる蛍光X線を分光計で測定することで、元素の存在割合を知る装置です。これまで、地球以外の惑星・衛星では、このようにSiO2の多い岩石は知られていませんでした。このような化学組成を火山岩のような岩石でつくるためには、結晶化の段階で分別が起こったことのほか、マントル上部でかんらん岩が部分融解する際に、非常に低圧で部分融解が起こったか、水を含む条件で部分融解が起こったことなどが考えられます。それにしても60%という値は非常に高い値で、他の成分の割合をあわせて考えると、水の多い条件でつくられたマグマである可能性が否定できません。もし、測定したのが火山岩でなく、堆積岩のような岩石であった場合には、SiO2を増加させる何らかの作用があったと考えなくてはなりません。この場合も、水の関与が考えられます。